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2008年12月21日(日) 23時05分

与党、衆参並行審議を検討 来年度予算と2次補正中国新聞

 与党は二十一日、来年の通常国会に関し、二〇〇八年度第二次補正予算案の衆院通過後、参院で過半数を占める野党が審議引き延ばし戦術に出た場合は、成立を待たずに衆院で〇九年度予算案の審議を始める方向で検討に入った。景気、雇用情勢の悪化に迅速に対応するため、〇九年度予算の年度内成立を確実にするのが狙い。本予算、二次補正が衆参で並行審議される異例の国会運営となる可能性が出てきた。

 補正予算成立を受け本予算審議に入るのがこれまでの通例で、野党は「強引な手法」と反発を強めそうだ。

 自民党の大島理森国対委員長は二十日の青森県十和田市での講演で、二次補正は一月中旬、〇九年度予算案は二月上旬から中旬にかけての衆院通過を目指す考えを表明。「鬼手仏心。仏の心を持ちながら、鬼の手、あらゆる手だてを使って責任を果たす」と強調した。

 与党は通常国会が召集される一月五日に二次補正と関連法案を提出し、六、七両日の衆参両院本会議での代表質問を経て、八日から衆院予算委員会で本格審議入りする方針。その後は、九日に委員会で可決、十三日の衆院本会議で可決して参院に送付したい考えだ。

 野党が抵抗した場合でも二次補正は参院送付後三十日経過すれば憲法規定で自然成立するが、〇九年度予算案はそれまでに審議に入らなければ年度内成立が厳しくなる。

 政府は〇九年度予算案を一月十九日に国会提出する方向。その時点で野党が参院で二次補正の採決に応じない姿勢が明確になれば、与党は、麻生太郎首相の施政方針演説などを行った上で衆院予算委員会で本予算審議に入りたい意向だ。

 与党は、通常国会の運営に関し「強気で押すしかない」(自民党国対幹部)として二次補正から衆院での採決強行も辞さない構え。参院で野党が審議拒否すれば「かえって本予算の衆院審議を進めやすい」としており、与野党激突が避けられない状況だ。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200812210175.html