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2008年12月21日(日) 22時56分

【対馬が危ない!】「立法措置が不可欠」議員視察で高まる機運産経新聞

 長崎県対馬市で過疎化が進み、それに呼応するように一部不動産が韓国資本に買収などされている問題は20日、自民・民主両党の国会議員を中心とした超党派の議員グループ11人が同市を公式視察したことで、国会議員の間にも強い危機感が現実味を帯び、領土問題と真正面から取り組む兆しが見えてきた。議員らの間には立法措置が不可欠との認識が強まっている。

 今回の公式視察では、韓国資本に買収され、現在はリゾートホテルとして営業している海上自衛隊対馬防備隊本部(同市美津島町竹敷)の隣接地が、実は明治期、旧日本海軍が造成した軍事施設だったことが明らかになった。聞くと、水雷艇の停泊地として開発され、かつては14隻の水雷艇が停泊していたといい、しかも石組みは現在も健在で、軍港としての使用が可能だというのだ。

 韓国資本がそれを見通して買収したとは言えない。しかし、竹敷地区は、リアス式海岸特有の湾曲に富んだ入り江と無数の小島からなる浅茅湾に面している。明治期から、自然が作った迷路を生かして海軍要港施設が整備されるなど、国土防衛の要害で有り続けた。

 対馬全体をみると、国防の要塞(ようさい)の地であるという歴史的事実や30を数える要塞が今も残っていることが示すように、風光明媚(めいび)な観光地というだけではなく、国土防衛の要の地として島全体がその歴史を刻んできた。この点について、同じ離島でも内海離島とは本質的にその性格が違う。島のあちこちに軍事施設となりうる場所がちりばめられていることから、現状が続くと、海自対馬防備隊本部の隣接地のように旧日本軍が建設した軍事関連施設跡が買収され続けかねない。

 今回の視察で平沼赳夫衆院議員(無所属)は「領土意識が希薄になっていることを象徴している」と断じた。また松原仁衆院議員(民主)は「旧海軍施設を韓国資本が買っていることになる。将来的に国防上どうなるのか…」と危機感を現した。

 今、外国資本による対馬での不動産売買に規制を求める声が同市や一部国会議員の間でわき上がってきた。

 今回の視察団は11人全員が、同市の経済活性化と領土問題の両輪を視野に入れた新法の必要性を強く感じた。対馬問題は領土問題、特に国境・離島問題についてすべての政治家や国民を覚醒(かくせい)させ、真摯(しんし)に向き合うべきことを示唆している。(宮本雅史)

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