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2008年12月21日(日) 00時08分

日本の発電所建設、85%が評価 イラクのサマワ住民調査中国新聞

 【バグダッド20日共同=島崎淳】日本政府がイラク南部サマワで政府開発援助(ODA)により建設中だった大型火力発電所が完成、イラク側に近く引き渡される。これを前に共同通信が行った住民意識調査で回答者の85%が発電所建設を「歓迎する」と答えたことが二十日分かった。ただ、約二年半に及んだ陸上自衛隊の活動も含めた日本の支援全体への満足度は以前に比べて低下した。

 調査は地元紙アッサマワに委託し、サマワと周辺部で十一月二十六日から十二月五日にかけて実施、五百人から回答を得た。サマワでの共同通信の住民調査は二〇〇四年一月以来、七回目。

 調査結果によると、〇四年から約二年半活動した陸自の復興支援活動も含めた日本支援全体については「満足」が54%、「不満」が35%。

 陸自の活動のみを聞いた過去の調査では「満足」は〇六年六月が79%、〇七年一月が76%、同年七月が68%と、陸自撤収後、時間の経過とともに満足度が徐々に低下していることが判明した。

 回答者が挙げた不満の理由は、多かった順に「支援が地元の需要に沿っていなかった」「規模が不十分」「成果が十分でなく改善がなかった」。望ましいサマワへの外国支援では、民間企業の投資が最も多かった。

 陸自に復帰してもらいたいかとの問いには、60%が復帰を希望。サマワで改善が必要な分野としては「電力」「給水」「医療・教育」を多くの回答者が挙げた。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200812210047.html