記事登録
2008年12月21日(日) 21時23分

<ロッテ>バレンタイン監督、来季で退団毎日新聞

 ロッテは21日、ボビー・バレンタイン監督の来季限りでの退団を発表した。この日、瀬戸山隆三球団社長がバレンタイン監督に4年契約が切れる再来年以降、契約を結ばないことを伝え、了承を得た。来季は、開幕前に退団が決まった監督がさい配を振るう異例のシーズンとなる。

 千葉市内で会見した瀬戸山社長は「球団全体を大改革していく必要がある」などと説明。次期監督に関しては「これからリストアップする」と話した。一方、バレンタイン監督は「正直いって驚いた。ロッテにとって最善になるなら賛同する。(来季も)全力を尽くす」とコメントした。

 バレンタイン監督は95年、チームを2位に導き、その後、大リーグ・メッツの監督として00年にワールド・シリーズ進出。04年にロッテ監督に復帰し、05年にはチームを31年ぶりの日本一に押し上げるなど通算6年で3度のAクラス入りを果たしている。【田中義郎】

 ◇解説 「辞職勧告」騒動にけじめ

 シーズンが始まる前に監督の退団を決める異例の事態に踏み切ったロッテ。球団首脳はバレンタイン監督との対立にけじめをつけるとともに、赤字削減など大幅な改革の一歩を踏み出すのが狙いだ。

 両者の溝が深まったのは9月だった。バレンタイン監督が自らの去就に触れ、球団から辞職勧告を受けたと発言。球団側は勧告を否定したが、見解は対立し、騒動に発展。今オフの契約更改の席で主力選手から「シーズン中に勝敗以外のことでもめるのは勘弁してもらいたい」との要望も出た。また、オフ入ってバレンタイン監督が、球団の了解を得ずに韓国の金東柱(キム・ドンジュ)内野手の身分照会を行ったことにも、球団は態度を硬化させ、今回の決断に至った。

 ロッテは30億円超ともいわれる赤字を抱え、重光オーナーから経営改善を求められている。こうした状況下、バレンタイン監督の年俸5億円という破格の待遇は、球団にとってのネックだった。

 しかし、来季、退団が決まっている監督の下で、選手たちの士気は維持できるのか。チームが一丸となり得るのか。不安要素なことは間違いない。【田中義郎】

【関連ニュース】
プロ野球:ロッテ2軍の成田誘致申し入れ…両者定期協議へ
ロッテ:唐川、800万円増で更改「来季は2ケタ勝利を」
ロッテ:ホンダの長野、正式に入団拒否…球団もこれを受諾
ロッテ:長野、入団拒否の意思伝える 5日に最終交渉
プロ野球:ホンダの長野 ロッテ入団を正式に拒否

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081221-00000051-mai-base