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2008年12月20日(土) 17時00分

【シネナビ】「ラースと、その彼女」夕刊フジ

 スクリーンにはいろいろなカップルが登場する。でもこの主人公ラースと恋人のビアンカには驚いた。ビアンカはダッチワイフなのだ! といってもダッチワイフ本来? の使い方はなく、パーティーに連れていき、一緒に食事をし、完璧な人間扱い。

 オリジナル作品欠乏症のアメリカ映画界で、ユニークな内容で関係者の目をテンにしたのは女性脚本家のナンシー・オリバー。なんといってもラースのキャラが面白い。自分の世界に閉じこもる超シャイな青年で、人に触られると痛みを感じ、兄夫婦でさえ持て余す。そんな彼はアンジェリーナ・ジョリー似のビアンカで、恋愛の予行演習をしていることがだんだん分かってくる。演技派のライアン・ゴズリングという俳優が真面目に演じることで、ラースのヘンチクリンさが増幅する。

 周りの人たちは平静を装うけれど、ビアンカのスカートの中をのぞきこむ兄嫁の好奇心が笑える。これはコミュニケーションについて考える映画なのだ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081220-00000016-ykf-ent