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2008年12月20日(土) 17時00分

大相撲ロンドン公演中止…急激な円高で英運営会社断念夕刊フジ

 日本相撲協会が来年10月に予定していたロンドン公演が急激な円高の影響で中止されることが、20日までに分かった。

 1991年10月以来2度目となるロンドン公演は来年10月7日から11日までの5日間、ロイヤル・アルバートホールで行われる予定だった。海外公演は協会が主催するものの、実際に運営するのは現地のプロモーション会社。ここで世界的な金融危機、急激な円高の影響が出てきた。

 ロンドン公演の開催が決定した昨年1月の為替レートは、1ドル120円台、1ポンド230円台で安定していた。現地運営会社は一行の渡航、滞在費など、このレートで予算を組んでいた。しかし、このところの円高で1ドルは90円を割り込み、ポンドにいたっては1ポンド133円前後と、当初から100円近く下落した。5日間で2億円を超える開催費用は、円高で予算の1.5倍近い経費がかかる上、金融危機の影響で資金繰りも難しくなり、運営会社は公演開催を断念したという。

 日本からの海外旅行者が増加しているように、海外公演が日本側の仕切りだったら恩恵にあずかれたはずの円高は、力士を招待する側の英国の運営会社にとっては逆風。ホンダがF1から撤退、名門の西武アイスホッケー部が廃部とスポーツ界に暗い影を落としている世界的な金融危機は、今度は大相撲の海外公演を初の中止に追い込んだ。

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