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2008年12月20日(土) 15時43分

オバマ次期大統領 つなぎ融資を歓迎 自動車メーカー救済に不可欠産経新聞

 【ワシントン=渡辺浩生】経営危機に陥ったゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーに対し、米政府の決めた174億ドルのつなぎ融資について、オバマ次期大統領は19日、シカゴでの記者会見で「米自動車産業の崩壊を回避する必要不可欠の手段」と語り、歓迎の意向を明らかにした。オバマ氏は「リストラに耐えるのは労働者だけではない」と強調、「すべての利害共有者が痛みを受け入れるべきだ」との認識を示した。

 米財務省の融資条件は、従業員の人件費の水準を組合に加盟していない外国メーカーに「対抗できる」水準まで引き下げ、2009年中の労働協約見直しを求めている。ビッグスリー(米自動車3大メーカー)は退職者を含む組合員の医療費や解雇者の失業期間中の賃金を負担しており、1人当たりの人件費が外国メーカーに比べ3割以上高く、競争力低下の原因とされてきたからだ。

 これに関連、クライスラーとともにつなぎ融資の合意書に正式署名したGMのワゴナー会長は「計画達成のために多くの仕事があることを承知している」と来年3月31日までのリストラ計画の提出に自信を見せ、全米自動車労働組合(UAW)との交渉に臨む考えを示した。

 一方、UAWのゲトルフィンガー委員長は「不公平な条件を取り除くためオバマ次期政権、新議会と協働する」と表明。一部の民主党議員も同調するなど、再建の行方にはなお波乱が予想される。

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