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2008年12月20日(土) 18時16分

支援求め大阪の楽団が“出前”演奏会スポーツ報知

商店街での「路上コンサート」で演奏をする大阪センチュリー交響楽団のメンバー

 財政再建を進める大阪府の橋下徹知事が大幅な補助金カットを示唆し、存続が危ぶまれている「大阪センチュリー交響楽団」の楽団員が、府民の支援を得ようと商店街に繰り出し「路上コンサート」を始めた。

 橋下知事は、財政面も含めた府民の支持が得られるかどうかで、補助金存続の是非を2008年度中に判断する方針。楽団は、買い物客に生の音を聴いてもらって認知度を高め、ファンクラブへの入会を呼び掛ける。

 楽団は1989年に発足。通常の公演以外に、病院や特別支援学校での演奏、子どもたちが楽器に触れる体感型コンサートなど、収益よりも公的側面の強い活動に力を入れてきた。

 08年度の事業費約8億円のうち、半分は府からの補助金。橋下知事から厳しい要求を突きつけられた楽団は7月、収入確保策として年会費2000円のファンクラブを創設。12月上旬までに3000人強を集め、さらに会員を増やそうと商店街での演奏を発案した。

 呼び掛けに対し、協力を申し出た商店街は大阪市、吹田市などの計6カ所。楽団の休日を利用して、19日から24日まで空き店舗のシャッター前やスーパーの一角でクリスマスソングなどを披露する。

 楽団員でホルン奏者の望月正樹さん(41)は「できることは何でもやって少しでもセンチュリーを知ってもらうと同時に、『クラシックは身近で楽しい』と感じてもらえたら」と話している。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20081220-OHT1T00223.htm