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2008年12月20日(土) 10時34分

ベルギー内閣が総辞職スポーツ報知

 経営難に陥ったベルギーの最大手金融機関フォルティスの分割問題に絡み、ルテルム首相は19日、株主らが起こした訴訟の裁判官に圧力をかけた責任を問われ、内閣総辞職を決めた。国王アルベール二世が辞表の受理、不受理を決める。

 ベルギー、オランダなどを営業圏とするフォルティスは10月、オランダ部門は国有化、ベルギー部門などはフランスの大手銀行BNPパリバへの売却が決まった。しかし決定後の株価急落に抗議する小口株主らが分割差し止めを求めて提訴。今月12日の一審判決は株主の請求を認めたが、ベルギー政府は上訴した。

 地元報道によると、首相側近ら政府職員が裁判官やその家族に接触し、政府の方針に沿った有利な判決が出るよう働き掛けたとされる。

 北部オランダ語圏、南部フランス語圏の政治対立が深刻なベルギーで、北部の右派を基盤に昨年6月の総選挙に勝利したルテルム氏は、南部各党の反発から長期の「政治空白」を招いた末、今年3月に連立内閣を発足させた。7月にも対立解消に失敗したとして、辞表を出したが、国王は受理せず、続投を命じた。(共同)

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20081220-OHT1T00121.htm