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2008年12月20日(土) 22時42分

<タイ>アピシット首相、新政権を発足 反タクシン色鮮明に毎日新聞

 【バンコク藤田悟】タイのアピシット首相は20日、プミポン国王の承認を得て新政権を発足させた。空港を占拠した反タクシン派団体の行動を擁護したカシット元駐米大使を外相に起用。国防相には、ソムチャイ前政権に退陣要求を突きつけたアヌポン陸軍司令官と親しいプラウィット元陸軍司令官を充てるなど、反タクシン色を鮮明にした布陣となった。

 カシット氏は駐日大使も務めたことがあるベテラン外交官。反タクシン派による空港占拠事件を「革新的な抗議行動だ」と称賛した。外務省内などから起用に懸念を唱える声が強く、あつれきの火種となる可能性もある。

 正副36ポストのうち、タクシン派の旧連立与党を離脱して新政権に加わった小政党などに19ポストを割り当て優遇した。このため、最大与党の民主党内から不満も出ており、不安定要因を残した。

 新政権は22日の就任式を経て、29、30両日にアピシット首相が施政方針演説を行う。これに対し、タクシン元首相を支持する市民団体は28日にバンコクで大規模な反政府集会を予定。施政方針演説を妨害するため国会にデモ隊を動員する構えも見せており、混乱を招く可能性もある。

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