記事登録
2008年12月20日(土) 22時03分

<静大>竹からバイオ燃料開発 食料と競合なく 研究チーム毎日新聞

 石油に代わる燃料として注目されるバイオエタノールを、竹から高い効率で作る技術を中崎清彦・静岡大教授(生物化学工学)の研究チームが開発した。サトウキビやトウモロコシと違って食料と競合する心配がなく、木材より成長が早いことが魅力という。

 竹からエタノールを作るには、繊維質の主成分セルロースを糖(グルコース)に変えて発酵させる必要がある。しかしセルロースは分解しづらく、研究開始当初は糖に変える効率が2%程度だった。

 研究チームは、竹を従来の10分の1の50マイクロメートル(マイクロは100万分の1)の超微細粉末にする技術を開発。レーザーで細胞壁に含まれる高分子リグニンを取り除き、分解効率の高い微生物を選ぶなどの工夫を重ね、糖化効率を75%に高めた。今後3年間で効率を80%まで高め、生産コストを1リットル当たり100円程度にすることを目標にしている。

 農林水産省などは2030年までに、バイオエタノールの消費量を年間220万キロリットルにすることを目指しているが、現在は輸入に頼っている。研究チームの試算では、国内には約9300万トンの竹があり、年間330万トンまでなら採り続けても生態系への影響はない。これで燃料を作れば目標消費量の約10%を賄えるという。【平林由梨】

【関連ニュース】
日本航空:バイオ燃料でデモフライト…来年1月、アジア初
トヨタ車体:来年のダカールラリー、再びバイオ燃料で挑戦
バイオ燃料:小金井工生徒が集めた廃油…世界のラリー走る
世界の食糧が足りない/2 なぜ食糧危機が起こったのか
アジア&ワールド:バイオ燃料の原料になる、新たな真菌を発見!

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081220-00000094-mai-soci