記事登録
2008年12月20日(土) 20時19分

NPBと高野連 今後問われる両新トップの力量産経新聞

 この日のシンポジウムの千葉会場では、県内114校の野球部員810人が熱いまなざしを注ぐ中、ステージで2001年のパの首位打者、ロッテの福浦が打席でのタイミングの取り方を披露。阪神の左腕、岩田は得意のスライダーの握りを包み隠さず教えた。

 初めて参加した高野連の奥島会長は「こういう内容ならもっと高校生と選手の交流を深めてもいいのでは」。同じく初参加のNPBの加藤コミッショナーも「選手1人ひとりの指導に味があった」とうなずいた。

 だが、6年目を迎えたこの試みはさまざまな曲折を経て冷え切った高校球界とNPBの関係が雪解けに向かう“第一歩”だったことを忘れてはならない。シンポジウムは全国を一回りする2011年で終了。これまで4万4000人近い部員がプロの技術に触れたが、参加できずに卒業した高校球児も大勢いる。

 この日参加したロッテ・渡辺俊の「こうした機会が今までなかったのが不思議なくらい。僕ら野球の専門家が伸び盛りの選手(高校生)に教えるチャンスはもっと多くていい」という意見は選手の多数を占めるはずだ。

 シンポジウムに代わる次なるステップをどう生み出すかは、高野連とNPB両新トップの手腕にかかっている。(三浦馨)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081220-00000572-san-base