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2008年12月20日(土) 18時22分

相撲協会大きな痛手 ロンドン公演中止産経新聞

 急激な円高の影響で来年10月のロンドン公演が中止になることは、日本相撲協会にとって大誤算である。来年10月の巡業収入に狂いが生じかねないほか、欧州勢の躍進によって当地で高まる相撲熱に拍車をかける狙いも外れてしまった。

 例年10月は国内巡業が行われ、今年も12日から26日にかけて13日間の日程が組まれた。巡業は平日850万円、土日祝日900万円で勧進元に売られるため、今年の収入は1億円を超える。来年はロンドン公演最優先だったため、ぽっかりと開いてしまう日程に国内巡業を組み込んで収入を確保できるかは不透明だ。

 また、ロンドン公演は平成3年以来で、巡業を含めた欧州での興行も7年のウィーン、パリ公演以来になるはずだった。欧州出身の関取がいなかった当時とは違い、現在はブルガリア出身の大関琴欧洲やエストニア出身の関脇把瑠都ら上位力士も珍しくない。

 欧州初の関取であるグルジア出身の黒海が「相撲はヨーロッパでもテレビで見られるようになって身近になった」と話すように、相撲人気も当時とは比較にならないほど高い。協会関係者も「ロンドン公演が相撲普及の起爆剤になれば」と話していた矢先の中止だった。

 九州場所時点で42人いる幕内力士の3割以上を外国出身者が占める中、海外興行は協会の目玉イベントとなった。為替相場は流動的で、今後の海外興行にどのような影響を及ぼすかは分からないが、協会にとっても頭が痛い“ロンドンショック”となった。

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