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2008年12月19日(金) 00時32分

奈良の女児誘拐殺人で再審請求申し立て 小林死刑囚産経新聞

 奈良市で平成16年11月、小学1年の女児=当時(7)=が誘拐され、殺害された事件で、殺人など8つの罪に問われ、自ら控訴を取り下げて1審の死刑判決が確定していた小林薫死刑囚(40)が、奈良地裁に再審請求を申し立てたことが18日、分かった。地裁は同日、請求を正式受理し、奈良地検に通知した。今後地検の意見を聞いたうえで、再審が必要かどうか決定する。

 請求は今月17日付。小林死刑囚が収監されている大阪拘置所から同地裁に郵送された。

 小林死刑囚は1審の奈良地裁での公判で、「死刑を望む」と供述したほか、裁判長あてに、死刑を望む意向を強調する手紙を2回にわたって出した。18年9月に同地裁が死刑を言い渡し、弁護側は即日控訴したが、同年10月、小林死刑囚自身が控訴を取り下げて判決が確定した。

 一方で小林死刑囚は、地裁の審理に強い不満があったとみられ、今年に入って実施された「死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90」のアンケートに「警察供述調書を頭から信じ、いいかげんな審理の末死刑判決を下した」と回答していた。

 控訴取り下げをめぐっては、大阪弁護士会の別の弁護士が無効を申し立てたが、最高裁は今年7月、控訴取り下げを有効と認めた大阪高裁の決定を支持し、この弁護士の特別抗告を棄却していた。

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