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2008年12月19日(金) 00時07分

銀行保有株20兆円買い取り 政府・与党、3年間の限定中国新聞

 政府、与党は十八日、緊急市場安定化策として、「銀行等保有株式取得機構」による最大二十兆円規模の株式買い取りを実施することを決めた。銀行が持つ事業会社の株式のほか、保険会社や事業会社が保有する銀行株も購入する。

 市場を通さず機構に売却することで株式相場の下落を防ぐ狙い。銀行株の下落を抑え、金融機関の信用力を維持する目的もある。時限措置として買い取り期間は三年間に限定、年明けの通常国会に関連法の改正案を議員立法で提出、本年度中の実施を目指す考えだ。

 市場価格で買い取り、買い取った株式は一定期間保有した後、株式市場の状況に応じて市場で売却する。

 自民党は買い取り枠について、当初十兆円超で調整。その後、銀行保有株の総額が十七兆円に上ることなどを考慮した公明党の意見も取り入れ二十兆円に拡大し、政府も了承した。

 ただ、最近の株価下落の要因はヘッジファンドや外資系金融機関の売り注文とみられており、与党内でも今回の買い取りが株価の下支えにつながるか疑問視する声も出ている。

 しかし金融危機には政府による一段の対策が必要として、二〇〇六年に買い取りを終了していた機構を再び活用することになった。

 機構は銀行の持ち合い株解消の受け皿としてこれまで約一兆六千億円の株式を買い取った。その後、市況の回復具合に応じ売却を進めてきたが世界的な金融危機に対応するため、麻生太郎首相が買い取り再開について検討するよう与党に指示していた。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200812190091.html