記事登録
2008年12月19日(金) 23時52分

総額1兆5000億円でGM、クライスラーを救済スポーツ報知

19日、ホワイトハウスで声明を発表するブッシュ米大統領(AP=共同)

 米政府は19日、経営危機に陥っている自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーの経営破たんを阻止するため、総額174億ドル(約1兆5000億円)の緊急融資を行うと発表した。両社の年内の破たんは回避できる見通しになった。

 ブッシュ大統領は声明を発表し「経営破たんは景気後退の深刻化を招く」と強調。自動車大手の連邦破産法申請は「現時点ではうまくいかない」と否定した。

 景気悪化が続く中、ビッグスリー(自動車大手3社)の経営環境の劇的な改善は望めず、つなぎ融資による救済は応急処置にすぎない。本格的な3社の再建は年明けに発足するオバマ次期政権に委ねられた。

 米メディアによると、緊急融資は、金融危機対策のための緊急経済安定化法が認めた7000億ドルの公的資金枠を活用する。来年1月までに、すぐに使える枠から134億ドルを融資し、2月に議会の承認が必要な3500億ドルから40億ドルを追加融資する。

 これまでGMは100億ドル、クライスラーは40億ドルが当面の破たんを回避するため必要として、公的資金による緊急支援を政府・議会に要請。しかし、議会民主党指導部が提出した救済法案は、共和党議員を中心に反対が強く、上院で11日、事実上の廃案になった。

 両社の資金流出は止まらず、年内に破たんする恐れが強まったため、ブッシュ政権が救済に乗り出すことになった。

 議会の救済案が土台で、優先株式を新株引受権(ワラント)と一緒に買い取るほか、経営陣の報酬を制限し高額退職金を禁止。批判が高まった専用ジェット機の所有やリースも禁止する。(共同)

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20081219-OHT1T00300.htm