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2008年12月19日(金) 19時41分

マーク・フェルト氏死去…Wゲート事件の情報源スポーツ報知

 ニクソン元米大統領が辞任に追い込まれた1970年代のウォーターゲート事件で、ワシントン・ポスト紙のスクープの情報源だった元連邦捜査局(FBI)副長官のマーク・フェルト氏が18日、うっ血性心不全のためカリフォルニア州サンタローザで死去した。95歳。米メディアが報じた。

 事件当時、FBI副長官だったフェルト氏は2005年、ポスト紙のボブ・ウッドワード氏に極秘情報を伝えていたことを米誌を通じて公表。「ディープスロート」と呼ばれた情報源が誰だったかは米現代史の謎の一つで、30年以上を経てからの「告白」は衝撃を与えた。

 72年、大統領側の工作員が盗聴装置を仕掛けるため、ワシントンのウォーターゲート・ビル内の民主党本部に侵入していた事実が、ウッドワード氏と同僚のカール・バーンスタイン記者の記事で発覚。この一連のスクープなどで世論の反発を受けた大統領は74年に辞任した。

 ウッドワード氏は著書の中で、記者になる前からの知り合いだったフェルト氏と接触を繰り返していたことを明かした。

 フェルト氏は06年、米テレビで「国のために正しいことをやったと信じている」と話した。

 アイダホ州生まれ。長くFBIに君臨したフーバー長官に見いだされて頭角を現し、71年に副長官に就任。73年に退職した。

 事件は、ロバート・レッドフォードとダスティン・ホフマンが両記者を演じた映画「大統領の陰謀」(76年)にもなった。(共同)

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20081219-OHT1T00266.htm