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2008年12月19日(金) 22時05分

足利事件でDNA再鑑定、と高裁 再審請求で初東京新聞

 栃木県足利市で1990年、女児=当時(4)=を誘拐し、殺害したとする殺人罪などで無期懲役が確定した菅家利和受刑者(62)の再審請求即時抗告審で、東京高裁は19日、検察、弁護側と3者協議を開き、DNA鑑定を再実施する方針を伝えた。24日までに正式決定する。

 弁護側によると、再審請求中の事件でDNAの再鑑定が行われるのは初めてという。

 田中康郎裁判長は検察、弁護側双方がそれぞれ推薦する2人の鑑定医に対し、女児の着衣に付いていた体液と菅家受刑者のDNA型の再鑑定を依頼する。

 確定判決によると、菅家受刑者は90年5月、足利市内のパチンコ店から女児を近くの河川敷に誘い出し、絞殺した。

 菅家受刑者は1審公判途中から無罪を主張。捜査段階の自白やDNA鑑定の信用性を争ったが、最高裁は2000年、鑑定の証拠能力を初めて認め、上告を棄却した。

 弁護側は「独自鑑定ではDNA型が一致しない」として再審請求したが、宇都宮地裁で退けられ、東京高裁に即時抗告。再鑑定を求めたところ、検察側が反対せず、実現する方向となっていた。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008121901001061.html