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2008年12月19日(金) 21時09分

17歳高校生が銃撃され負傷、抗議活動煽る恐れ ギリシャCNN.co.jp

アテネ(CNN) 警官による「少年射殺事件」に反発した若者層と警官隊との衝突、暴動が連日のように続くギリシャ情勢で、アテネ近郊で最近、17歳の高校生が銃撃されて負傷し、これに抗議する数千人規模のデモが19日、首都中心部で起きた。フランスの文化センターなどが襲われたとの情報がある。

一連のデモ、暴動は12月6日に起きた15歳少年の射殺事件が直接のきっかけとなったが、年少者の新たな被害で抗議行動がさらに煽られる可能性もある。高校生は労組指導者の息子だという。主要労組は19日、国際金融危機を受け緊縮財政を盛り込んだ国家予算案の審議に反対するため国会議事堂でのデモ行動を呼び掛けていた。

高校生はアテネ西郊ペリステリで級友と一緒にいた際、手に銃弾を浴びたとの情報がある。短銃による発砲とみられる。容疑者はつかまっていない。抗議行動の激化以来、少なくとも高校800校、大学200校の閉鎖が続いている。

アテネの国会議事堂前では18日、数千人規模のデモ隊と警官隊が衝突、火炎びんと催涙弾が飛び交う混乱が生まれた。アテネ郊外にある国営テレビ局ERTの本部では16日、デモ隊が乱入し、番組を中断させて横断幕を掲げる騒ぎも起きた。昼のニュースを放送中のスタジオに乱入。番組を中断させ、「テレビなど見るな。みんな街に出ろ」との横断幕を映し出していた。

一連の衝突での拘束者は少なくとも280人。うち、176人が逮捕され、130人は略奪容疑となっている。商店、事務所への被害も甚大。警察は催涙弾の在庫が切れかかり、イスラエルやドイツへ緊急発注している。

デモの主要目的は当初、少年射殺事件への抗議だったが、国際金融危機を受けた経済悪化へのいら立ち、教育改革への反発、汚職根絶の要求も強まっている。野党は統治能力の欠如を突いて即座の総選挙実施を要求し、中道右派政権を率いるカラマンリス首相は対応策に苦慮している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081219-00000021-cnn-int