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2008年12月19日(金) 19時55分

懲戒解雇のうえ罰金、訴訟の恐怖 児童買春「逮捕経験者」の地獄J-CASTニュース

 児童買春で捕まったという人物が2ちゃんねるで明かした告白内容が、「リアルだ」と話題になっている。警察が職場まで来たり、被害者の親からの多額賠償が怖かったり…、「地獄」だったというのだ。やはり悪いことをすれば、生活が破壊されてしまうのか。

■高額請求の夢にうなされる日々

  「たいーほ経験者です。いやーあれは地獄ですよ。二度と勘弁です。警察は侮れませんね」

 児童買春を告白した人物は、2ちゃんねるのスレッドでこう話題を振った。書き込まれたのは、2008年10月31日〜11月2日。が、2ちゃんの投稿をまとめたブログ「えっちら2」で12月18日になって紹介されると、リアルな内容から、ネット上で大きな話題になっている。

 そのエントリーは、「中2の子と縁して逮捕された」。書き込みによると、男性とみられる投稿者は、ある日の朝7時、職場駐車場に止めた車の中で仮眠していたところ、自分の携帯電話が鳴るのに気づいた。知らない番号だなと思って電話に出ると、それはなんと警察からだった。心当たりはなかったが、どこにいるのかと聞かれ、職場を教えた。

 待っているうちに事態に気づき、その後は、「地獄が待ってました」。5年以上前に中学2年の女子生徒と児童買春をした疑いで、半年後に3人の私服警官に囲まれることに。シラを切ると、「正直に言わないと大変な事になるぞ!」。諦めて白状すると、警察署で逮捕され、12日間留置された。

 留置所では、朝食は白米と味噌汁だけ。風呂は、冬なので5日に1回、15分だけだった。また、同室のヤクザから毎日、武勇伝を熱く聞かされた。「自由と言っても部屋から出れないので暇で死にそうになります」と振り返っている。

 11日目になって、初犯なので罰金50万円と知らされ、会社の上司に連絡してキャッシュカードで現金を引き出してもらい、上司と一緒に罰金を払うはめになった。

 さらに、女子生徒の親から訴訟を起こされると負けると言われ、高額請求の夢にうなされる日々。会社も懲戒解雇となり、再就職も地獄だったという。

■「実体験のほうがよほど抑止力になる」

 2ちゃんねるの匿名書き込みだけに、告白が真実でない可能性はある。そこで、元検事の大澤孝征弁護士に聞くと、投稿者が明かした逮捕の経緯や留置所生活については、「そんなものですよ。逮捕は、自宅でも会社でもどこでもあります」と話した。

 罰金50万円の略式命令は、あり得る判決だとし、親から民事訴訟を起こされれば、「負けますよ。慰謝料は、200〜300万円のレベルじゃないでしょうか」と言う。やはり、犯罪の代償は、「地獄」のように高かったようだ。

 一方、投稿者は、「自分はたまたま会社が弁護士をつけてくれたので、弁護士から警察に自粛要請をして報道はされませんでした」とも書き込んでいる。これについては、大澤弁護士は、「警察が要請を受けたから報道発表しないということはないと思います。精神的に問題があったり、ほかに大事件があったりした場合、警察の判断でするはずです」としている。

 投稿内容はリアルなだけに、ネット上では、「恐ろしいな…」「どんなキレイゴトよりも、実体験のほうがよほど抑止力になると思う」といった声が相次いでいる。とすると、犯罪経験者は、積極的にネット上などで体験談を語るべきなのか。

 この点に関しては、大澤弁護士は、「何とも言えません」との立場だ。

  「もちろん、犯罪行為をしたら人生がめちゃくちゃになるという抑止力もあり、国会議員関係者だって書いています。その一方で、体験談は、逆に、推理小説のように犯罪のヒントや手口を教えることもあるんですよ。いいとも悪いとも言えず、諸刃の剣ですね」


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