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2008年12月19日(金) 23時36分

米大統領がビッグ3支援表明、GMなどに「つなぎ融資」読売新聞

 【ワシントン=矢田俊彦】ブッシュ米大統領は19日、米自動車大手3社(ビッグスリー)に対し、金融安定化法を活用した資金繰り支援に踏み切ることを表明した。

 米メディアによると、融資額は計174億ドル(1兆5500億円)にのぼる。ビッグスリーが破綻(はたん)すれば、金融市場を含めて米経済に大きな影響を与えるため、つなぎ融資の実施を決めた。

 米メディアによると、ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーに年末越えの当面の資金として134億ドルを提供し、その後、2月に40億ドルを追加支援する用意があるとしている。ただ、来年3月末までに各社が具体的な再建計画を示さなければ、融資資金は回収され、破綻に追い込まれる可能性がある。

 ブッシュ大統領は、「ビッグスリーは困難に直面している。破綻は好ましくない」と述べ、支援の必要性を強調した。

 一方で、納税者保護として、ビッグスリーは、経営トップの巨額報酬の抑制や株主への配当禁止などの厳しいリストラを求められる見通しだ。

 ビッグスリー支援を巡っては、米民主党と米政府が最大140億ドルの資金繰りを支援する法案に合意したが、上院で11日、共和党の反対により廃案となった。このため、GMなどは年内に手持ちの資金がなくなる恐れが出ていた。

 米政権はこれまで、「安定化法は、金融機関向けだ」(ペリノ大統領報道官)と否定的な見解を示してきた。

 ただ、支援法案の廃案を受け、「無秩序な破綻は念頭にない」(同)とし、安定化法を活用した支援を検討してきた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081219-00000064-yom-bus_all