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2008年12月18日(木) 09時15分

「正社員と同じ仕事してきた」派遣社員、契約打ち切り猛抗議読売新聞

三菱ふそう関係者(中央右側)に契約解除の撤回などを申し入れる派遣社員の男性(左端手前)ら(17日、川崎市で)=鷹見安浩撮影

 大幅な減産や人員削減に追い込まれている自動車業界。日産自動車が17日、派遣社員の数を2009年3月末までにゼロにすると発表、雇用情勢の深刻さは増すばかりだ。この日も、契約打ち切りを通告された派遣労働者が会社側に撤回を申し入れるなど、同業界の労働者たちの憤りは、日々高まっている。

 年内に派遣労働者と期間従業員計500人を削減する方針を示している三菱ふそうトラック・バス(本社・川崎市)。同社川崎工場に勤務する派遣労働者2人が、個人で入れる労働組合「首都圏青年ユニオン」(東京都)に加入し、この日朝、同社と派遣会社に契約打ち切りの撤回を申し入れた。

 同労組によると、2人は先月中旬、契約を今月25日付で打ち切ると通告された。打ち切り後は、すぐに寮から立ち退くよう求められた。このうちの1人(35)は都内で行った記者会見で、「4年近くも社員と同じ仕事をしてきたのに、勤務年数や仕事ぶりと関係なく、契約を打ち切られてしまうのは納得できない」と怒りをあらわにした。

 三菱ふそうトラック・バス広報部は「申し入れの内容を確認した上で、対応を検討したい」としている。

 一方、自動車メーカーなどの労働組合でつくる「自動車総連」はこの日、2009年春闘で、4000円以上の賃金改善を求めていく方針を決めた。西原浩一郎会長は、記者会見で、派遣労働者の契約打ち切り問題について、「同じ職場で働く仲間が去るのは残念だ」と訴えた。西原会長は、「一人でも多くの非正規労働者が残れるよう会社側に訴えることを傘下の組合に求めており、相談窓口の設置やハローワークとの連携など、労働組合としてできることを最大限やっていきたい」と話した。

http://www.yomiuri.co.jp/feature/20081209-206556/news/20081218-OYT1T00241.htm