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2008年12月18日(木) 02時01分

「中期プログラム」調整開始、消費税上げ明記に公明難色読売新聞

 与党は17日、2011年度からの消費税引き上げを明記した税制抜本改革の「中期プログラム」の政府案に関する協議をスタートさせた。

 公明党は引き上げ時期の明記を見送るよう改めて求めた。政府は税制改革の手順をあらかじめ定めるプログラム法案の国会提出を検討しており、この扱いも焦点となる。

 与党協議は、今回新設したプロジェクトチーム(座長=額賀福志郎・元財務相)が舞台となる。首相は17日、首相官邸で額賀氏と会い、「経済財政諮問会議で『11年度から税制抜本改革を実施したい』と表明した。それを踏まえて調整してほしい」と指示した。

 その後、国会内で開かれた同チームの初会合では、与謝野経済財政相らが政府案について説明した。

 公明党は「消費税引き上げの時期が明らかになれば景気の足を引っ張りかねない」と指摘。自民党は「社会保障の財源確保を考えた場合、税制改革の開始時期を明記した方が良い」と反論し、結論は出なかった。

 PTは今後、消費税の扱いや、基礎年金の国庫負担引き上げの財源確保などについて協議を重ね、24日をメドに結論を出す方針だ。

 与党が12日にまとめた税制改正大綱は、消費税引き上げ時期の明記を見送った。しかし、首相や与謝野氏らは、「今後3年間、積極的な財政出動をする以上、その後の財源確保をあわせて打ち出すのが責任政党のあり方」として引き上げ時期を明記したプログラムをまとめた経緯がある。

 次期通常国会に、消費税や所得税などの税目ごとに改正時期を明示したプログラム法案を提出し、当面、消費税を引き上げないとしている民主党との対立軸を明確にするためだ。

 自民党執行部は「首相の求心力の一層の低下を避けるため、政府案を認めざるを得ない」としているが、引き上げ明記に難色を示す公明党と首相との板挟みになって、対応に苦慮している。

 足元の自民党内にも反対論がある。中川秀直・元幹事長は17日、記者団に対し、政府案について「増税だけ語ったという感じがする。極めて失望しているし、極めて無責任だ」と批判した。

 プログラム法案を提出しようとした場合、自民党内の手続きが紛糾する可能性もあり、「2009年度税制改正法案の中に、将来の税制改革の方向性を明記するにとどめたらどうか」という意見も出ている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081218-00000001-yom-pol