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2008年12月18日(木) 20時06分

<力士暴行死>3力士解雇…武蔵川理事長「再発防止に努力」毎日新聞

 大相撲・時津風部屋の力士暴行死事件で、兄弟子3力士に対する執行猶予付きの有罪判決を受け、日本相撲協会の武蔵川理事長(元横綱・三重ノ海)や時津風親方(元前頭・時津海)が18日、会見した。武蔵川理事長は、同日付で3力士を解雇したことを明らかにし、「今回の出来事は遺族にとっても、相撲界にとっても誠に不幸。今後は協会全員が一丸となって、再発防止にこれまで以上に努力したい。判決を重く受け止めたい」と厳しい表情で語った。

 協会は今年3月、理事会で、3力士の有罪が確定した場合は解雇処分とすると決めていた。この日午後、時津風親方から3力士に控訴の意思がないとの報告を受け、解雇を通告した。

 一方、時津風親方は「(亡くなった斉藤)俊くんと遺族の方に大変ご迷惑をかけた」と改めて謝罪。「このようなことが二度とないよう監督したい。(3力士については)今後も見守ってあげたい」と語った。最後に「協会や相撲を愛する皆さんにご心配をかけ、おわびしたい」と付け加え、涙を浮かべた。【武藤佳正】

 ◇3力士「厳粛に受け止めている」…弁護団が会見

 3力士の弁護団は閉廷後に会見し、公判直後の3力士について「かなり沈んだ様子。判決を厳粛に受け止めている」と話した。

 3力士は解雇を覚悟して公判に臨んでいたといい、「(相撲界を去ることに)悲しい思い、寂しい思いはあると思う。テレビ中継を見ているのを見ると、苦しい思いもあるように見える」と述べた。

 いまだ公判前整理手続きをしている前親方の山本順一被告について、3人から「何を考えているんだろう、というニュアンスの言葉はあった」という。

 公判で問われた相撲界の体質については「ずっと続いてきたもの。旧態依然とはしているが、不健全だとは思わない」とした。その一方で「体罰を受けるのが常態化している。判決には『自制心がまひしている』という表現もあった」と問題点を認めた。

 原木詩人・主任弁護人は「いろんな意味で本当に不幸な事件だと私は感じています」と会見を締めくくった。【村社拓信】

 ◇日本相撲協会が解雇した3力士(敬称略、番付は九州場所)

 西序ノ口7枚目・明義豊(あきゆたか)=本名・木村正和(25)▽番付外・怒濤(どとう)=伊塚雄一郎(26)▽同・時王丸(ときおうまる)=藤居正憲(23)

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