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2008年12月17日(水) 12時25分

「派遣切り」で自殺志願保護、東尋坊でパトロール強化へ読売新聞

 福井県坂井市の東尋坊でここ数か月、派遣社員契約を突然打ち切られる「派遣切り」による生活苦で自殺を考える人が増えており、周辺海岸を自主パトロールし、自殺志願者を説得する活動に取り組むNPO法人「心に響く文集・編集局」(茂幸雄代表)は15日、市や地元観光協会に対し、自殺防止パトロールの活動を強化するよう求める要望書を提出した。

 茂代表は「年を越せないと悩んで断崖(だんがい)に立つ人が年末にかけて増えるかもしれない」と危惧(きぐ)している。

 同NPOによると、10〜11月に保護した8人のうち5人が元派遣社員で、3人は「派遣切りによる生活苦で自殺を考えた」などと話したという。

 11月初めに保護した東北地方の20歳代男性は、派遣契約の更新を待たずに突然、契約解除を言い渡された。男性は「寮を追い出され、1日1500円のネット喫茶で寝泊まりしたり、友人宅へ転がり込んだりしてしのいできたが、貯金も底をついた。もう限界」と涙を浮かべた。所持金は100円しかなく、茂代表らが差し出した餅をむさぼるように食べたという。

 茂代表は「派遣切りなんて理由はこれまで1人もいなかった。国や自治体は緊急支援を早急に実施すべきだ」と訴えた。

http://www.yomiuri.co.jp/feature/20081209-206556/news/20081217-OYT1T00365.htm