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2008年12月17日(水) 13時49分

<泰葉・ロングインタビュー>(2)「篤姫」成功を信じていた毎日新聞

 −−今年を振り返って触れたいもう一つのことは、大評判で高視聴率のまま終了したばかりのNHK大河ドラマ「篤姫」です。大河ドラマってこのところ低迷だったんで、どこまで人気が出るかと思っていましたが、泰葉さんは放送前から自信を持って「絶対行く!」と。特に(小松帯刀役の)瑛太君をイチ押ししていました。実際のところ、あそこまで視聴率が上がるとは思いませんでした。

【最初から読む】泰葉・ロングインタビュー:(1)「最後の8分」に後悔はない

 泰葉:私は確信していました。

 −−そのあともいろいろありましたけれども、篤姫がこれだけ人気が出るというのを始まる前から、確信しておっしゃっていたのは泰葉さんしかいないのではないかと。

 泰葉:ありがとうございます。私あんまり篤姫のことを語れる人間ではないんですけれど、きょう佐野(元彦)さん(篤姫のプロデューサー)から留守電をいただいて、すごく元気な声だったのでお話ししてもいいかなと。あの田渕先生のもとでマネジメントしていたときに第1回目の(台本を)読んだときに「(視聴率)30パーセント超します」と宣言しましてNHKに原稿を持っていきました。今は(メール)送信で送れるんですけれど、どうしても佐野さんに持っていきたくて、「第1稿上がりました、よろしくお願いします」と。(視聴率が最も高かった回で)29.2%。あと0.8、悔しいねえ。

 −−でもまだ総集編がありますよ

 泰葉:ああ、ぜひがんばってほしい。でも(BSや再放送などあるから)超えたと言っていいでしょう。

 ◇元祖「水かけアーチスト」?

 −−なぜそのお話をうかがったかというと、泰葉さんのプロデュース力というか、先見性には素晴らしいものがあると思ったからです。先日、日比谷であったデビューイベントでは水をかけるパフォーマンスをされて、インパクトのあるイベントができたと思うんですが、あれは初めからやろうと思ってステージに上がられたんですか。

 泰葉:私にとっては普通のことなんです、すべて。普通に感じることを普通にやると皆さん驚かれるという、そういうことなんです。水をかけるのも、「学園祭の女王」だったころにしょっちゅう毎回やっていたことなので。

 −−そうすると、元祖・水かけは泰葉さんだった?

 泰葉:ほかにいらっしゃるんですか? サザンの桑田さんなんかもいらしたと思いますが。

 −−まだあのころは、水のペットボトルなんてあんまり出ていなかったころですよね。

 泰葉:だからコーラの大きいのとか、ポップコーンが入るバケツのとかありますよね。あれをわざともらっといて水をくんできて客席にまいて「バーン」と投げていたんです。だから元祖水掛けかどうかはわかりませんけど、少なくとも女でかけたのは私が初めてだと思います。男性ならまだいるでしょう。でも、これから先はでないでしょう。いたら私のまねだ(笑い)。何か普通にやったり、普通に感じて「これがしたい」と思うと皆さんすごく驚かれる。

 ◇父・三平もバッシングの嵐だった

 −−驚かれるということとバッシングされたことと絡むと思うんですが、三平師匠の本を読むと、時事ネタがたくさん……

 泰葉:ババネタですか……すいません、ちょっと挟みたくなって。

 −−いえいえ。で、師匠は時事ネタで、今だったらなかなかテレビでは言えないようなブラックジョークをずいぶん使っているんですよ。

 泰葉:アナーキーですよね。すごいロックしている。

 −−三平師匠の最初のころは、それこそテレビだってない時代。ラジオで活躍されていたころに、これだけのネタを毎日つくって毎日やっていた。しかも当時の落語界でこれをやっていたというのは想像しがたいものがあります。そこからご自分の道をつくられた三平師匠と比較するというわけではないんだけれど、三平師匠のそのころのことを思えば、周りの人にご迷惑をおかけしたというのは別として。今の泰葉さんのいろんな行動を、みなさんいろいろいいながら実は楽しんでらっしゃる部分があると思うんです。よく「三平師匠のDNA」という言い方をされますが、海老名家のみなさんはやっぱり、お父様のことを今でも深く思っている。それが海老名家の人として体がそう動いてしまうんでしょうか。

 泰葉:血です。本当に血が騒いじゃう。今では「昭和の爆笑王」と書いていただいているけれど、父がやっていたころはぶったたかれ、バッシングの嵐ですよ。

 −−当時の週刊誌の記事など、もう、見られたもんじゃないですよね

 泰葉:でしょう。すごかった。それに父は耐えましたからね。「あなたのは落語じゃない」とか「くだらない、帰れ」みたいな。それでも父は貫いたので、私も似ているな、と思います。今私がしていること。ご迷惑掛けたのは別として。あれは暴走だけれど。父はそういうことは一切しなかったけれども。でも……すごく似ている。何かやってしまうことが。破壊力みたいなことがあるんですね。

 −−それをさせるのは何かというと、たぶんお客さんやテレビを見ている人に喜んでもらいたいから、その1点だったからなのでしょう。今年の大みそかは泰葉さんは「ハッスル」でテレビに出るわけですが、紅白には三平師匠が何度も出ていらっしゃるわけです。レコード大賞の司会などされたら、視聴率も上がると思うんですが。

 泰葉:ありがとうございます。でも、あぶないかも。生放送でしょ?

 −−ぜひ来年は頑張って、レコ大も紅白も狙ってください

 泰葉:ぜひがんばりたいです。父は、紅白行くときすごく喜んでいましたから。(その3「ノースリーブの秘密は」につづく)

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