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2008年12月17日(水) 21時01分

民主など3野党、雇用法案の参院強行採決へ 政府与党に「踏み絵」戦術産経新聞

 民主、社民、国民新の野党3党は17日、参院に共同提出した雇用対策4法案の扱いについて、与党が欠席しても18日の参院厚生労働委員会で野党単独で強行採決する方針を固めた。民主党は同日、今国会での成立を図るため、与党に対し麻生太郎首相と小沢一郎代表らによる与野党党首会談の開催を申し入れる。雇用問題を最大の焦点と位置づけ、党首会談と法案成立をセットで迫る「踏み絵」戦術で、政府・与党への攻勢を強める構えだ。

 民主党が強硬路線をとるのは、雇用情勢が悪化する中、平成20年度第2次補正予算案の提出を来年の通常国会に先送りした首相の「無策ぶり」を際立たせる狙いがある。

 鳩山由紀夫幹事長が17日の「次の内閣」で、「雇用4法案は喫緊の課題を処理するために最低限必要なものだ。与党が反対する唯一の理由はメンツだろう。メンツと国民の命、どちらが大切なのか」と強調したのもそのためだ。

 小沢氏も16日夜、FMラジオ番組に出演し「うちの子供も派遣会社に入っている。毎晩、夜中までやって給料は低いが、『働かなければ』と言っている」と雇用対策に取り組む姿勢をにじませた。

 野党3党は18日朝、連合と連携して4法案の早期成立を求める緊急集会を都内で開いた後、与野党の国対委員長会談で法案成立に向けた協力を求める方針。民主党は、与党が拒否した場合でも、委員会で強行採決に踏み切り、同日夕方には野党3党による党首会談を開催し、首相に会談に応じるよう、申し入れるシナリオを描いている。

 民主党は、集会や野党党首会談で雇用問題への積極姿勢を世論にアピールするとともに、首相と小沢氏らの会談の結果、政府・与党が法案成立に応じなければ、「民主党の立場をより鮮明にできる」(幹部)としている。

 これに対し、与党は、総額2兆円規模の新雇用対策をまとめ、第2次補正に盛り込む考え。自民党幹部は「4法案は民主党がこれまで非正規雇用対策に取り組んでこなかったことへの贖罪(しょくざい)法案だ」指摘。その上で、「すでに政府・与党が取り組んでいるものばかりで、政府が省令改正で迅速に対応している。法律に格上げすると、かえって機敏に対応できなくなる」と批判した。

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