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2008年12月16日(火) 22時13分

表情固く「うれしいです…」ルーシーさんの母親会見詳報産経新聞

 「正義が勝った。この8年間は、厳しい試練だった」

 織原城二被告に対する16日の東京高裁判決を受け、ルーシー・ブラックマンさんの母、ジェイン・スティアさんは英国大使館で会見を開き、時折涙ぐみながら判決後の感情を吐露した。

 同日午後5時、細い体を黒いスーツに包み会見場に現れたジェインさんからは、疲れきった様子がありありとうかがえた。

 公判中に「織原被告がルーシーのことについて話すのを聞くのは、本当に苦しかった」と語ったジェインさん。1審を破棄し、ルーシーさんの事件についても有罪とした高裁の判決に対する感想を問われると、「うれしいです…」としつも、その表情は固く、有罪判決を手放しで喜んでいるようには見えなかった。

 また、最高裁への上告については「すべて検察官に任せています」と、信頼を寄せているようだった。

 会見中、涙声で質問に答えるジェインさんをすぐ横で支えていたのは、現在の夫、ロジャーさん。

 ロジャーさんは「判決の説明について納得いかない部分はなかったか」との質問に対して、「検察官と話をして、彼は、準強姦致死罪について無罪と判断されたことに、非常に驚いていました。詳細は検討すると言っていましたが、彼は上告について、法的にも、技術的にも難しいと話していました」と明かした。

 また、ロジャーさんは織原被告側の上告については、「織原被告が上告する法的権利を持っていることは明らかだが、もし最高裁に上告しても、棄却されることを望みます」と力強く語った。

 会見は時間にして約10分。会見後にようやくホッとした表情を見せたジェインさんは、夫に支えられるようにして、足早に会見場を後にした。

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