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2008年12月16日(火) 23時13分

<米国>9・11遺族31人、グアンタナモ軍事法廷を批判毎日新聞

 【ワシントン大治朋子】米国がイラクやアフガニスタンで捕らえた「敵の戦闘員(テロ容疑者)」を裁く、キューバ・グアンタナモ米海軍基地の特別軍事法廷について、01年9月の米同時多発テロ事件の遺族31人がこのほど「公平さを欠く」との批判声明を発表した。遺族は、容疑者を拘束する基地内の収容所閉鎖を公約するバラク・オバマ次期米大統領に強い期待を表明。軍事法廷を支持する他の遺族との立場の違いを鮮明にした。

 遺族は声明で、通常の手続きを取らない同法廷について「虐待による取り調べなどの発覚を防ぐため、最初から(米国を正当化する)政治的な動機で始められた」と指摘。オバマ次期政権について「この恥ずべき制度の終結を約束しており励まされる思いだ」と期待を示した。

 同法廷では今月8日、同時多発テロ事件で殺人罪などに問われた国際テロ組織アルカイダの元最高幹部ら5人に対する審理が行われ、9人の遺族による傍聴が初めて認められた。9遺族は閉廷後の会見で軍事法廷支持を表明。収容所の閉鎖を公約するオバマ次期米大統領を批判した。

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