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2008年12月15日(月) 04時47分

「バイパス」たんぱくが重要=紫外線のDNA損傷を修復−大阪大時事通信

 紫外線によるDNAの損傷が修復される際、日常生活で浴びる程度の紫外線なら、DNAの複製が損傷部を迂回(うかい)して進むよう働き掛けるたんぱく質が重要な役割を果たすことを、大阪大微生物病研究所の菱田卓准教授らの研究グループが発見した。英科学誌ネイチャー電子版で15日、発表した。
 これまでの研究では、細胞のDNA損傷を直接修復するたんぱく質の働きが重要視されていた。
 菱田准教授らは、DNAの損傷部分を避け、複製ルートをもう一本のDNAなどへバイパスさせるたんぱく質に着目。自然光の50〜100倍強い紫外線を使う従来の手法を見直し、自然光に近い強さの下での変化を酵母細胞を使って調べた。
 すると、弱い紫外線では、直接修復のたんぱく質より、バイパスを作るRad6などのたんぱく質がない方が、細胞のDNA複製がより困難になることが分かった。
 「修復」と「バイパス」は損傷の程度によって働きを補完し合っているとみられる。 

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