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2008年12月15日(月) 00時00分

戦闘機がパキスタン侵犯か インドは否定、一時緊張中国新聞

 【イスラマバード14日共同】パキスタン空軍は十四日、インドの戦闘機が十三日に二回パキスタン領空を侵犯したが、緊急発進したパキスタン軍機が追い返したと発表した。パキスタンのレーマン情報放送相は「インド空軍に確認したところ、不注意だったと述べた」と説明したが、ロイター通信によると、インド空軍当局者は十四日、侵犯を否定した。

 インド政府がムンバイ同時テロに関与したとしてパキスタンのイスラム過激派「ラシュカレトイバ」を名指しし、パキスタン政府の責任を追及したため両国関係は悪化。インド軍が同過激派の拠点を空爆するとの憶測も出ていたことから緊張が一時高まった。侵犯の事実関係をめぐって混乱が生じる可能性もある。

 一方、パキスタンのザルダリ大統領は十四日の記者会見で「(インド機は)少しだけパキスタン領に入った。よくある技術的なことだ」と述べ、問題視しない考えを示した。

 パキスタン空軍報道官によると、インドの戦闘機二機は両国が領有権を争うカシミール地方のパキスタン実効支配地域アザド・カシミール地方と、北東部ラホール付近の上空をそれぞれ侵犯。いずれも国境から最大約七キロ入った地点で追い返したとしている。

 ともにラシュカレトイバ関連団体の活動が活発な地域で、パキスタン政府はインドや米国の圧力を受けて、今月、指導者を自宅軟禁下に置き、拠点を封鎖するなどしている。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200812150036.html