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2008年12月14日(日) 11時42分

方法は?規模は?米ビッグスリー支援策に早くも疑問の声読売新聞

 米政府が12日に自動車大手3社(ビッグスリー)への資金繰り支援を打ち出したことに関し、関係者の間からは早くも効果を疑問視する声が高まっている。

 米ウォール・ストリート・ジャーナル紙(電子版)は、米政府の支援額について、米議会で検討されていた140億ドル(約1・3兆円)を大きく下回り、80億ドル程度にとどまる可能性があると報じている。

 米大手格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、米ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーが経営破綻(はたん)に追い込まれる可能性が高いとの評価を据え置いた。「財務省がどのような形で資金供給するか不明確」と説明している。

 GMとクライスラーは1月初頭に、部品メーカーへの計90億ドル分の支払期限を迎える。資金支援が間に合わなければ、破綻に追い込まれる恐れがあるという。

 米自動車部品業界は、破綻の引き金を引くことを避けるために「強引な売掛金の回収はしないことを暗黙の了解としていた」(業界関係者)という。しかし、部品メーカーの経営も苦しくなっており、米政府の支援の見通しが立たないと判断すれば、売掛金回収を急ぐ可能性もある。(ニューヨーク 池松洋)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081214-00000012-yom-bus_all