記事登録
2008年12月14日(日) 00時10分

一般歳出、最高の52兆円程度 09年度、削減路線を転換中国新聞

 財務省が編成している二〇〇九年度予算案で、政策経費である一般歳出の総額が五十二兆円程度と初めて五十兆円を突破し、過去最高になることが十三日分かった。基礎年金の国庫負担引き上げ分や、景気対策として新設する一兆円の「経済緊急対応予備費」などを上乗せするためで、概算要求基準(シーリング)の四十七兆八千四百億円から大きく膨らむ。

 麻生太郎首相は地方交付税の一兆円増額も指示、一般歳出に交付税、過去に発行した国債の償還と利払いに充てる国債費を足した一般会計の総額は九十兆円に迫る計算だ。二〇〇〇年度の八十四兆九千八百七十一億円を上回り、当初予算段階で過去最高となるのは確実で、歳出削減路線からの転換が鮮明になる。

 景気後退を受け税収は低迷、歳入不足を補う新規国債発行額は三十兆円台半ばに増加する見通しで、財政再建は遠のく。

 政府は概算要求基準の枠外で検討していた基礎年金の国庫負担割合について、来年四月から二分の一に上げる方針を固め、一般歳出は二兆円以上増加。道路特定財源の一般財源化に伴い、揮発油税全額を一般会計に繰り入れることも約七千億円の増加要因。さらに予備費の増加分が加わる。

 歳入面では企業業績悪化による法人税収の落ち込みで、〇八年度の税収は四十七兆円前後。〇九年度もゼロ成長の見通しが強まり、政策減税で五千億円程度の減収も生じるため、低迷が続きそうだ。

 「霞が関の埋蔵金」といわれる特別会計の余剰金を活用するが、国債発行額は当初予算で四年ぶりに三十兆円を超え、財政は一段と悪化する。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200812140043.html