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2008年12月14日(日) 09時59分

「反麻生」手探りの政権批判中国新聞

 麻生内閣の支持率が低迷する中、中国地方選出の自民党国会議員にも、新しい議員グループに加わる動きが出ている。「反麻生」の動き、という見方も出ているが、参加した議員は危機感は共有しつつも新たな政権作りに動くような熱気には乏しく、手探りなのが現状だ。

 政権に距離を置く議員の代表格で、新たな議連「生活安心保障勉強会」の結成を呼び掛けた中川秀直氏(広島4区)。11日の準備会合では「政局グループではない」と強調しつつ、記者団に「入会希望は90人くらいいる。関心が高い」と自負をにじませた。「改革か後退か」と小泉改革の継続を説く声も強めている。

 ただ、会合には安倍晋三元首相(山口4区)ら麻生太郎首相に近い議員も参加。安倍元首相は「今こそ一致結束して政権を支えよう」とくぎを刺した。加藤勝信氏(比例中国)も「社会保障改革というテーマから参加した」と「反麻生」の意図を否定する。

 中堅・若手でつくる「速やかな政策実現を求める有志議員の会」は、本年度第2次補正予算案の早期提出などを求めた。今国会で2次補正の提出を見送った首相と距離を置く動きと目されている。参加した赤沢亮正氏(鳥取2区)は「100年に一度の経済危機にふさわしい、100年に一度の対応が必要だ」と、現状へ危機感を募らせる。

 一方で、当初メンバーだった寺田稔氏(広島5区)は「しっかり景気対策をやろう、と姿勢を示したまで」と、政局絡みの動きと見られるのは拒み、脱退。各議員の思惑はさまざまで、各グループとも求心力に欠ける実情がのぞいている。

【写真説明】中川秀直氏が呼び掛けた「生活安心保障勉強会」で発言する安倍晋三元首相

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200812140015.html