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2008年12月13日(土) 10時14分

逆走可能な標識 1年間放置中国新聞

 広島市中区大手町の国道54号沿いにある「予告標識」が誤ったまま放置されていたことが分かった。近くの平和大通りの側道が一方通行であるのに、逆走が可能な表示をしていた。広島県警は約1年前から誤りに気付いていたにもかかわらず改善せず、12日夜に急きょ撤去した。

 予告標識は、国道54号が南北に、平和大通りが東西に延びる白神社前交差点から南約140メートルに設置。北向きの車両が右左折できる計4カ所を矢印で示し、NHK広島放送センタービル南側にある平和大通り側道も進入可としていた。

 ところが、現場は西から東への一方通行区間で、予告標識に従うと逆走になる。約1年前、広島中央署員が誤りに気付き、県警交通規制課の担当者が確認したが「撤去工事の発注はまとめた方が安上がり。来年3月までに別の標識と一括で外せばいい」と判断した。

 県警によると、標識が原因の事故や苦情は記録にないという。しかし、側道の東端には、矛盾する車両進入禁止の交通規則標識も掲げられ、ドライバーを困惑させていた。安全上問題なのは明らかで、違反も誘発する。

 予告標識は1979年以前に設置。当時、側道は一方通行ではなかった。少なくとも92年には側道東端が進入禁止になったが、予告標識はそのまま放置されていた。

 12日、あらためて誤りを確認した県警は標識を撤去した。同課の新政成次席は「気付いた時点ですぐにシールを張って誤表示を隠すか、取り外すべきだった。誠に申し訳ない」と陳謝している。

【写真説明】一方通行の側道に、禁止方向から進入できると誤表示していた予告標識。左折矢印のうち一番上の部分(11日)

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200812130042.html