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2008年12月13日(土) 10時14分

円高80円台に輸出企業不安中国新聞

 東京外国為替市場で一時、13年ぶりとなる1ドル=88円台まで円高が進んだ12日、中国地方の輸出企業に利益圧迫の懸念が広がった。世界的な景気悪化の中での急激な円高。メリットがある輸入企業にも、地域経済の悪化に対する不安の声が聞かれた。

 需要が急激に落ち込んでいる自動車業界。自動車用ゴムシール部品を輸出する西川ゴム工業(広島市西区)の想定レートは1ドル=97円で「コスト削減など足元固めを急ぐ」と強調。現地工場のある米国の自動車業界の行方も不透明で「急激な環境変化で先行きが見えない」と話す。

 来年1月に乗用車2ラインの稼働を6日間停止する方針の三菱自動車水島製作所(倉敷市)は、円高で「さらに減産する可能性もある」(管理部総務担当)という。「全社で約10万台の減産計画を示しているが、米国経済の混迷で受注が読みにくい」

 リョービ(府中市)は、印刷機器の売り上げの約7割を欧米向けなどの輸出が占める。想定レートは1ドル=100円で、1円の円高で年間約3000万円の差損が出る。当面、円高傾向が続くと見通し、「原油価格の下落を差し引いても、決算に響きそうだ」。

 三菱農機(島根県東出雲町)は北米にトラクターを輸出している。本年度は1ドル=105円に設定しており90円の水準だと約2億円の損失が出る。「想定外。円建てで海外調達する部品の割合を増やす」という。

 造船業界は円建て取引が多く直接の影響は少ない。ただ3年後まで受注を抱える内海造船(尾道市)は、今後の新規受注の交渉で「競争上、船価引き下げを強いられる可能性もある。原価割れの恐れもある」とする。

 一方、原料を輸入する企業は円高でコスト減のメリットがある。中国電力の本年度下期の想定は1ドル=105円。「燃料購入では好要因だが、地元経済の減速が懸念される」と受け止める。

 総合化学メーカーの東ソー(周南市)は「円高は輸出面ではマイナスだが、原料の輸入ではプラス。影響は大きくない」としつつ「米国を中心とした世界の経済活動の停滞が心配だ」。トクヤマ(同)も「石炭など原燃料の輸入が大きく、1円の円高で3億円のメリットになる。ただ国内の取引先の業績悪化が心配」という。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200812130058.html