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2008年12月13日(土) 10時14分

福山駅前整備の最終案提示中国新聞

 JR福山駅前広場整備計画について、福山市は12日、地下送迎場を含む最終的な整備案を市議会全員協議会に提示した。歴史的価値が高く、地下展示する予定だった福山城の舟入状遺構は計画を変えて地中に埋め戻し、活用は後世に委ねる。

 整備案は、市が専門委員会や市民懇談会に示した地下送迎場の2案のうち、より多くの遺構を残せる案を懇談会などの意見を参考に採用した。その案をベースにさらに導線や柱の位置を見直し、18台分だった駐車、送迎スペースを20台に増やすなどした。

 一方、舟入状遺構の一部を地下展示する計画は、一部を撤去しないと地上高が平らにならないため断念。遺構は地中に埋め戻して保存し、一部を地上から見えるよう工夫する。

 全員協議会では「20台のスペースを確保するのに11億円もかけるのは疑問」「議論が不十分で市民の合意が得られているとはいいがたい」などと批判も出たが、46人中41人の所属する5会派が賛成意見を述べた。

 市は今後、実施設計に取りかかる。計画変更に伴うコストの大幅な増加はないとみており、完成時期も2009年度末と従来の見通しを変えなかった。

 市が事実上の最終案を固めたことで、市民団体「福山駅前水辺公園プロジェクト」が遺構の活用を求めて12万人の署名を集めるなど論議を呼んだ問題は、一区切りとなる。

 羽田皓市長は記者会見し、「交通結節点としての機能強化を果たす一方で、舟入状遺構を後世に残せる」と説明。遺構の活用法については「私が生きているうちにはないかもしれないが、その時代を生きる方々に見つけていただけると思っている」と述べた。

【写真説明】福山市が最終的な整備案を提示したJR福山駅前広場。中央下が舟入状遺構=6月(撮影・増田智彦)

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200812130051.html

福山駅前整備の最終案提示(中国新聞)
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2008年12月13日(土) 10時14分

福山駅前整備の最終案提示中国新聞

 JR福山駅前広場整備計画について、福山市は12日、地下送迎場を含む最終的な整備案を市議会全員協議会に提示した。歴史的価値が高く、地下展示する予定だった福山城の舟入状遺構は計画を変えて地中に埋め戻し、活用は後世に委ねる。

 整備案は、市が専門委員会や市民懇談会に示した地下送迎場の2案のうち、より多くの遺構を残せる案を懇談会などの意見を参考に採用した。その案をベースにさらに導線や柱の位置を見直し、18台分だった駐車、送迎スペースを20台に増やすなどした。

 一方、舟入状遺構の一部を地下展示する計画は、一部を撤去しないと地上高が平らにならないため断念。遺構は地中に埋め戻して保存し、一部を地上から見えるよう工夫する。

 全員協議会では「20台のスペースを確保するのに11億円もかけるのは疑問」「議論が不十分で市民の合意が得られているとはいいがたい」などと批判も出たが、46人中41人の所属する5会派が賛成意見を述べた。

 市は今後、実施設計に取りかかる。計画変更に伴うコストの大幅な増加はないとみており、完成時期も2009年度末と従来の見通しを変えなかった。

 市が事実上の最終案を固めたことで、市民団体「福山駅前水辺公園プロジェクト」が遺構の活用を求めて12万人の署名を集めるなど論議を呼んだ問題は、一区切りとなる。

 羽田皓市長は記者会見し、「交通結節点としての機能強化を果たす一方で、舟入状遺構を後世に残せる」と説明。遺構の活用法については「私が生きているうちにはないかもしれないが、その時代を生きる方々に見つけていただけると思っている」と述べた。

【写真説明】福山市が最終的な整備案を提示したJR福山駅前広場。中央下が舟入状遺構=6月(撮影・増田智彦)

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