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2008年12月13日(土) 17時19分

大阪府が暴力団とゴルフでも契約締め出しスポーツ報知

 大阪府が2006年に定めた暴力団対策の規定を活用、暴力団と親しいとされる建設・警備会社を入札から相次ぎ排除している。一緒にゴルフをしたと分かれば原則として契約から締め出すという、全国でも厳しい規定。業界から愚痴も漏れるが、府は府警と連携し「組の資金源封じ」に向け運用を徹底する考えだ。

 規定は「府暴力団等排除措置要綱」で、府警が「暴力団と親密な付き合いがある」などと認定して通報、府がこれを受けて排除を決める仕組み。

 06年以前も要綱はあったが、対象は建設工事のみ。しかも、暴力団組員が会社の役員だったり、会社が組員を利用して利益を得たりした場合などに限られていた。

 強化の背景には「暴力団を陰で支える会社に、税金が流れてはいけない」(府警幹部)との考えがある。原則として府発注の入札、調達契約から排除できることとし、暴力団との関係もより細かく定めた。

 以降、府警が通報した件数は06年2件、07年1件、08年6件。〈1〉暴力団とゴルフをした〈2〉歳暮を贈った〈3〉組長の葬儀委員長を務めた—などが認定理由だった。

 排除措置を受けた建設会社によると、取引先から信用を失い仕入れを止められそうになった。排除された別の1社の内情に詳しい企業幹部は「暴力団と付き合いがあっても、ちゃんと仕事ができればええやないか」と不満を口にする。

 これに対し府警幹部は「暴力団排除の機運が高まる中、仮に幼なじみであったとしても、組員になったら付き合いを断ち切るべきだ」と話す。

 警察庁によると、暴力団との交際が判明した場合、大阪府と同様に契約から排除すると定めている自治体は宮城県、愛知県、広島市などがある。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20081213-OHT1T00206.htm