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2008年12月13日(土) 20時00分

受精卵診断後、出生は3人 精度向上に技術的検討も東京新聞

 日本産科婦人科学会は13日、重い遺伝病や習慣流産を避けるために実施を認めている受精卵診断についての調査結果を発表した。過去3年間に、診断で選んだ計64の受精卵が母親の体内に戻されたが、生まれた赤ちゃんは3人にとどまったという。

 学会の星合昊倫理委員長は「かなり悪い成績。診断の精度を上げるため、学会として技術的な検討を行う必要があるかもしれない」としている。

 受精卵診断は、体外受精した受精卵が分裂を始めて間もない時期に一部の細胞を取り出して遺伝子や染色体を調べ、病気や流産の可能性がないかを調べる技術。学会は会員施設から申請のあった症例を個別に審査しており、これまで計73件が承認されている。

 学会によると、2005年4月から08年3月までの間、延べ44人の患者に、診断で問題がないと判定された受精卵計64個が戻された。このうち、習慣流産を回避する目的で診断を行ったケースで3人の赤ちゃんが生まれたが、遺伝病回避のケースで出産例はなかったという。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008121301000506.html