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2008年12月13日(土) 18時51分

仮釈放に意見伝えた被害者2割 新制度10カ月で162人東京新聞

 刑務所や少年院収容者の仮釈放・仮退院に関する「意見聴取制度」に基づき、各地の地方更生保護委員会に意見を述べた事件の被害者や遺族は、制度が始まった昨年12月から今年9月までに、計162人だったことが13日、法務省のまとめで分かった。各委員会から加害者の仮釈放審理などの連絡を受けたのは約880人で、意見を述べた割合は約2割。

 意見の内容は「仮釈放は早すぎる」などと反対が多かったが、「二度と事件を起こさないよう指導してほしい」と加害者を許す気持ちを伝えたケースもあったという。

 法務省によると、意見聴取制度は、犯罪者予防更生法と執行猶予者保護観察法を統合し、昨年6月成立した更生保護法に盛り込まれた。

 全国8カ所にある地方更生保護委員会は、まず法務省・検察庁による被害者通知制度を使い、刑務所収容者らの仮釈放などを審理することを被害者側に伝える。更生保護法には、被害者側から申し出があれば、必ず意見を聴かなければならないと定められ、意見は審理に反映される。

 今年9月末までの10カ月間に地方更生保護委員会の委員や保護観察官に面会したり、手紙を送ったりして意見を伝えた162人は、交通事故関連が3割弱と最も多く、続いて傷害2割弱、詐欺1−2割、性犯罪が約1割だった。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008121301000468.html