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2008年12月13日(土) 16時22分

浜岡原発1、2号機廃炉 中電、6号機新設検討東京新聞

 中部電力が長期運転停止中の浜岡原発(静岡県御前崎市)の1、2号機を廃炉にし、代わりに6号機の新設を検討していることが13日、分かった。1、2号機の運転再開には大型部品の交換や耐震工事に多額の費用がかかるため廃炉にすると同時に、6号機新設計画を進めた方が得策と判断したもようだ。

 6号機の出力は1号機(54万キロワット)、2号機(84万キロワット)の合計と同程度の140万キロワット級にするとみられ、浜岡原発全体の発電規模を維持する。

 1970年代に造られた1、2号機は2001年の配管破断事故などのトラブルが続発し、「定期検査」を理由に運転停止中。中電は耐震工事などの影響評価や設計変更を検討している。

 しかし、予想される東海地震に耐えられる改修には莫大(ばくだい)な費用がかかるとの試算が社内でまとまり、代替となる6号機新設の検討に入った。6号機の運転開始時期は未定だが、地元への申し入れから建設までには通常、10年以上かかることから18年度以降になるとみられる。

 廃炉に向けて、付着した放射性物質の除去や解体、撤去といった措置を35年ごろまでに終える。ただ、1基当たり数十万トンともいわれる大量の放射能を帯びた廃棄物の処理や、跡地をどうするかといった難題も抱えることになる。

 中電の総発電量に占める原子力比率は18%(07年度実績)で、国内9電力(原発を持たない沖縄電力を除く)の平均よりも低い。二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガス削減という地球環境問題も加わって、新規の原発立地は経営の最重要課題だった。これまでに三重県の芦浜原発や、石川県の珠洲原発を計画したが、いずれも地元同意が得られずに頓挫しており、浜岡原発への依存度をさらに高めることになりそうだ。

 国内にある商用原発で現在、廃炉措置に入っているのは、日本原子力発電の東海発電所(茨城県東海村)だけ。10年には日本原子力発電の敦賀1号機(福井県敦賀市)が運転を停止して廃炉となる予定。2基同時に廃炉にする浜岡原発は過去最大の規模となる。

(中日新聞)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008121390162223.html