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2008年12月13日(土) 23時49分

<フィギュア>逆転Vの真央 史上初「3回転半」2度決めた毎日新聞

 ◇グランプリファイナル(13日、韓国・高陽アイスアリーナ)

【写真特集】GPファイナル女子 真央は2度の3回転半、美姫は4回転に挑んだ

 18歳同士のライバル対決で、勝利の女神は浅田真にほほ笑んだ。ライバル・金妍児をフリーで逆転。3年ぶりにGP女王に輝いた。

 冒頭にトリプルアクセル(3回転半)−2回転トーループ、続いてトリプルアクセルを決めた。一つのプログラムで2度のトリプルアクセル成功は、女子では国際大会史上初の快挙。だが、後半の連続ジャンプの一つ目で転倒する大きなミスがあり、演技直後は笑顔がなかった。しかし、金にも転倒などのミスが出て逆転優勝。試合後は「すごくうれしい。今は達成感がある」と笑顔がはじけた。

 今季から、荒川静香らを育てたロシア人のタチアナ・タラソワコーチに師事し、表現力に磨きをかけた。ジャンプも「ロシア流」を導入。元世界女王のイリーナ・スルツカヤらロシアのトップ選手が以前やっていたように、連続ジャンプの最後は右手を真上に掲げて跳び、難度を高めることで少しでも点を稼いだ。一方でロシア式の短時間練習が合わず、一時はジャンプが不調に陥ったものの、それも完全に復調。タラソワコーチは「幸せで喜びを感じる。女子初のトリプルアクセル2回成功は誇りに思う」と教え子をたたえた。

 GPファイナルで初めて金に勝ち、シニアでの対戦成績も3勝2敗と勝ち越した。「互いに刺激を与えあい、いいライバルと思う」と浅田真。試合後は金から「おめでとう」と祝福されたという。今季前半の不調を乗り越え、18歳の少女はまた大きくなった。【来住哲司】

 ○…SP首位だった金妍児は、中盤にジャンプで大きなミスを二つ犯し、3連覇を逃した。3回転ルッツが1回転になり、3回転サルコウは回転不足のうえに転倒した。SPのテレビ中継の視聴率が20%を超すなど国民の期待を一身に受けて「プレッシャーがあった」のに加え、「2日前から風邪を引き、演技の前からつらかった」という。それでも地元ファンの声援に応えて最後まで演技をこなしきり、「今はホッとしている。韓国での国際大会出場は初めてで、いい経験になった。次の大会ではもっと成長した姿を見せたい」と解放感に浸っていた。

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