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2008年12月13日(土) 23時14分

薬害肝炎訴訟「まだ終わらない」と原告産経新聞

 「節目の日であることは間違いないが、あくまでも通過点」。C型薬害肝炎訴訟の全国原告団代表として原告をまとめてきた山口美智子さん(52)は基本合意の締結を前に、こう強調した。

 「B型とC型を合わせた肝炎患者350万人の全員救済と、二度と薬害を起こさせないことを目指してきた」という山口さんにとって、これから待ち受けている問題の方が、険しく困難であることを自覚しているからだ。

 10月に田辺三菱製薬に対する賠償請求を放棄し、自分自身の訴訟が終了した際も、法廷には姿を見せなかった。「これで終わりとメディアに報じられたくなかったから」

 山口さんは、国が設置した薬害肝炎の検証と再発防止を話し合う会議のメンバー。「厚労省や企業は、いまだに事実をうやむやのままにしている」と再発防止への自覚の足りなさを憂い、「世論の後押しがあってここまでこられた。これからも、肝炎の問題は終わっていないということをさまざまな場面で訴えていきたい」と話した。

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