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2008年12月13日(土) 21時48分

金融危機対応で協力強化 日中韓首脳が共同声明中国新聞

 麻生太郎首相と中国の温家宝おん・かほう首相、韓国の李明博イ・ミョンバク大統領による日中韓首脳会談が十三日午後、福岡県太宰府市の九州国立博物館で開かれた。

 韓国政府筋などによると、三首脳は深刻化する世界的な金融危機への対応を含め、三国間の協力強化が世界の平和と安定に貢献するとの認識で一致。今後の協力の基本原則と方向性を示した「三国間パートナーシップに関する共同声明」や「国際金融と経済に関する共同声明」を取りまとめ、署名した。

 北朝鮮の核問題については議長国・中国の努力を評価する一方、十一日まで北京で行われた六カ国協議首席代表会合が成果なく閉幕したことをめぐり、北朝鮮の非協力的な態度を批判。北朝鮮の核計画検証枠組みの文書化と非核化実現に向けた連携強化を確認した。

 金融危機対応では、緊急時に日中韓で外貨を融通し合う通貨交換(スワップ)協定の資金枠拡大、日中韓と東南アジア諸国連合(ASEAN)との同協定の機能強化などで合意。

 防災に関する協力強化でも一致し、防災担当閣僚の定期会合を開催することを決めた。

 このほか気候変動問題やアフリカ開発支援、国連安全保障理事会改革などをめぐり意見交換。地球環境保護や科学技術分野などでの具体的な協力事項を列挙した「行動計画」を打ち出した。

 会談冒頭、麻生首相は「三国間では多くの分野で密接な協力が進んでいる。世界的な金融危機や北朝鮮問題とともに、取り組むべき問題は少なくない」と強調した。

 日中韓首脳会談はこれまでASEANとの国際会議の場を利用して開かれており、独立開催は初めて。今後はこの形を定例化し、来年は中国で行う。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200812130264.html