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2008年12月13日(土) 21時48分

浜岡原発の2基廃炉へ 中部電、耐震工事費用増で中国新聞

 中部電力が、長期間運転を停止している静岡県御前崎市の浜岡原発1、2号機(沸騰水型軽水炉、出力計百三十八万キロワット)を廃炉にし、代わりに6号機を新設する計画を検討していることが十三日分かった。運転開始から三十年以上経過した1、2号機の運転再開に必要な最新の耐震工事に巨額の費用が掛かるため。

 国内の商用原発で廃炉措置に入っているのは、日本原子力発電の東海発電所(茨城県東海村)だけ。日本原電の敦賀1号機(福井県敦賀市、三五・七万キロワット)は二〇一〇年に運転を停止して廃炉となる予定で、二基同時の廃炉方針が示されるのは今回が初めて。

 耐震基準が厳しくなっている中、補強に巨額の費用が掛かる老朽化原発の取り扱いは電力業界の課題になっており、他社の動向にも影響を与えそうだ。

 1、2号機の運転再開には大型部品の交換や、最新の耐震工事が必要で、費用は数千億円に上るとみられる。一般的に原子炉一基の建設費は四千億円程度とされており、中部電は今後の耐用年数も考慮したとみられる。

 中部電は、付着した放射性物質の除去や解体、撤去といった廃炉措置を二〇三五年ごろまでに終える。代替の6号機の出力は1、2号機の合計と同等とし、浜岡原発全体の発電規模は維持するが、建設には地元への申し入れから十年程度かかるため、二〇一八年以降の運転開始を目指す。廃炉と新設の過程で安全性の問題が新たに浮上するのは確実で、正式決定には時間がかかりそうだ。

 1号機は配管破断事故で〇一年十一月から、2号機は定期検査で〇四年二月から停止しており、いずれも一一年の運転再開を目指していた。廃炉措置計画が国の認可を受ければ、運転を再開せずに手続きに入る。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200812130268.html