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2008年12月13日(土) 01時59分

平松・大阪市長、財政再建目標達成先送りへ 来春に3人目の副市長産経新聞

 大阪市の平松邦夫市長は、人件費カットや事業見直しで平成29年度に財政収支均衡を達成するとした財政再建目標について、「金融不安前の目標」として、経済状況の急激な悪化を受け、先送りは避けられないとの認識を示した。市長が財政再建計画の変更に言及したのは初めて。また現在、空席の3人目の副市長について来年春に内部から起用する方向で、年明けから調整に入る意向を示した。

 平松市長は今月19日で市長就任1年になるのを前にインタビューに答えた。

 平松市長は9月、市の財政難克服のため歳出削減素案を発表。全職員給与5%カット、管理職手当10%カットを平成21年から9年間続け、計2900億円を削減するほか、70歳以上の市民が市営交通を無料で利用できる敬老パスの一部有料化など事業見直しで、29年度は財政収支の均衡をほぼ達成できるとしていた。

 ところが、その後、米証券大手リーマン・ブラザーズが破綻(はたん)し、経済状況は世界的に悪化。市は12月に入って一般会計の市税収入が21年度から3年間で従来の試算より約990億円減収になるとの見通しを明らかにしている。こうした事態を受け、財政再建目標達成の先送りは避けられないという認識を示した平松市長は、「市は、中小企業に対する支援策を懸命に打った。それで目標が先送りになったが許してくださいと堂々と言えるだけの仕事をすればいい」と述べた。

 財政規律を守るため、市も大阪府同様、借金返済のために積み立てた公債償還基金から借り入れを行わないとしてきたが、「基本は変えないが、何が起こるかわからない」と述べ、財政が深刻な打撃を受けた場合は「最後の最後の埋蔵金」として借入もあり得るとの姿勢も示した。

 一方、空席になっている3人目の副市長について、「経済状況や懸案事項を考えると2人では厳しい」とし、来春にも市内部から起用する方向で、年明けから調整する方針を示した。

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