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2008年12月13日(土) 21時02分

GPファイナル2位の小塚 優勝ならずも日本男子に大きな光産経新聞

 最後まで足が持たなかった。終盤の3回転ジャンプで2度転倒。初出場のGPファイナルでSP1位と、優勝へ最短距離にいた小塚はフリーで失速した。「終盤まで持たなくて悔しい」。優勝を逃したことより、内容に不満を漏らした。

 GPシリーズ初優勝を果たしたスケートアメリカ(10月)のSPで、自己最高の80・10点を出すと、佐藤信夫コーチからは「あまり調子に乗るなよ」と耳打ちされた。有頂天になりそうな19歳は足下を見つめ続けてきたが若さが出てしまった。

 最終滑走で「緊張はしていた」という。さらに「最初の4回転ジャンプを跳んでから、演技の最後まで通した練習があまりできていなかった」とも。経験の少なさ、今季から取り組む4回転を組み込んだプログラムへの未熟さがにじんだ。

 ただ今季は「これ以上できない、というぐらい練習した」と話す。GPで2戦に出場し優勝、2位を獲得してのファイナル進出は、シニア転向後に目立ったひ弱さが消えつつあることを物語る。自らを追い込み、才能を磨きこんだ成果だろう。

 着氷はしたものの回転不足で大きく減点された冒頭の4回転。これを避けて安全策を取ることもできたが、「考えなかった」と言い切った。大舞台で強気を貫いた。

 日本人初優勝はお預けとなったが、「尊敬している」という日本のエース、高橋大輔(関大大学院)の背中は視野に入った。まして、高橋が今季絶望で苦しい台所事情が続く日本にとって、小塚の台頭は大きな光である。(榊輝朗)

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