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2008年12月13日(土) 20時55分

J1残留の磐田、安堵も一瞬 名門再建へ厳しい道のり 産経新聞

 磐田の窮地を再び若き司令塔、松浦が救った。仙台に圧倒された前半、胸トラップで先制点を奪うと、後半にはカウンターから相手DF2人をかわし、勝利を呼び込む追加点。「J1に残れてホッとしている。入れ替え戦に関してはすごくラッキーボーイだったかな」。第1戦の同点弾と合わせて全3得点の活躍に、21日で20歳を迎える名門の新たな「顔」は、安堵(あんど)感をにじませた。

 だが選手たちの笑顔も一瞬だった。1990年代後半に黄金期を築いたクラブも、2002年を最後にリーグ優勝から遠ざかっている。世代交代の遅れが一因とはいえ、川口、駒野の日本代表2人を擁し、07年度の営業収入は35億9400万円とJ1でも5番目。戦力も資金も、決して不十分な態勢とはいえない。

 川口は「勝ち慣れている雰囲気があり、危機感も足りなかった。もっとハングリーにならないと」と課題を挙げる。引退する名波も「鹿島は毎年優勝争いをしている。何が差があるか、現場もフロントも追求してほしい」とライバルを引き合いに注文をつけた。今季限りでの勇退を表明したオフト監督も「まず『掃除』を行わないといけない」と「おごり」を払拭(ふっしょく)する必要性を説いた。新体制の下、全員が気持ちを一新しなければ、名門再建への道は険しさを増す。(奥村信哉)

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