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2008年12月13日(土) 20時54分

<柔道>小野、階級上げて開花…「挑戦者になれて怖さなし」毎日新聞

 ◇柔道・嘉納杯東京国際第2日(13日、東京体育館)

 小野の第一声はこうだった。

 「優勝したうれしさより、きょうは柔道が楽しかった。挑戦者になれて、負けることが怖くなかった」

 81キロ級で臨んだ北京五輪の舞台は初戦敗退。国内外の強豪と何度も対戦しているうちに「負けられない」という気持ちが先立つようになり、初の五輪でも満足な柔道が出来なかった。減量のつらさも重なり、五輪後、思い切って90キロ級に階級を上げてみた。

 今は普通に生活をして88キロ。調整も楽になり、キレのある動きと前に攻める姿勢が戻ってきた。1階級上げれば当然、対戦相手のパワーも違う。しかし、小野は「新しい世界」に勝負をかけた。

 決勝では内またや大内刈りで韓国の李奎遠(イ・ギュウォン)を揺さぶった。李が得意とする背負い投げを警戒しながら、常に先手を取る。「内またを5回ほど続けたので、次は相手の後ろに回り込んでやろうと思った」。残り21秒、右からの小外掛けで李のバランスを崩し、勝利を決める有効を奪った。

 「初戦から決勝まで小野は本来の力を出してくれた」と全日本男子の篠原監督。本来の力を出し切れなかった81キロ級時代。だが、五輪の痛い敗戦を経て小野はよみがってきた。「腹いっぱいメシ食って体力つけて。久しぶりに楽しい柔道を味わえた」。解き放たれたような笑顔をのぞかせた。【滝口隆司】

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