記事登録
2008年12月13日(土) 20時26分

麻生首相「世界の安定と繁栄に資する画期的進展」産経新聞

 麻生太郎首相は13日夜、福岡県太宰府市の九州国立博物館で、中国の温家宝首相、韓国の李明博大統領と共同記者会見を行った。麻生首相の冒頭発言は以下の通り。

麻生太郎首相「それでは、本日ここ福岡に、韓国の李明博大統領、そして中国の温家宝首相をお迎えして、3カ国の首脳会議を開催をさせていただきました。この会議はこれまで、他の国際会議の機会を利用して、短時間開いてきたことはあります。今回は独立して、3カ国の首脳会議を開催したものです。これは、歴史上初めてのことです。私は、この会合を『第1回日中韓サミット』と呼びたいと考えてもおります。本日の会合では、今後、この日中韓のサミットを持ち回りで年1回開催することに合意をいたしております」

「この3カ国は、北東アジアの隣国同士であるとともに、世界の主要国でもあります。ご存じかと思いますが、このアジアの3カ国のGDP(国内総生産)を足しますと、世界の16.7%になります。貿易額もほぼ同じ、16.6か7(%)だと存じます。3国の首脳が定期的に集い、協力を強化をしていくということは、アジア、さらには世界の安定と繁栄に大きく資する、画期的な進展でもある、と考えております。われわれはさきほど、共同声明に署名をいたしました。声明では、3カ国協力の原則として、開放性、透明性、相互信頼、共益、多様な文化の尊重をうたい、そして未来志向で協力を進める決意を表明しました。

「次に今回のサミットの主要な成果をご紹介いたします。第1に今、世界が最も問題にしております国際金融、経済問題です。第1に国際金融、経済問題と申し上げましたが、この3カ国は去る11月、ワシントンでの金融サミット、金融緊急サミットに参加をしております。そのときの合意内容を着実に実現していくこと。また、金融市場安定化、国際金融市場安定のため、地域協力を強化することでも一致をいたしております。特にわれわれ3首脳は、金融市場の安定化に向けて、お互いに助け合うため、日本、韓国。、中国と韓国の間で、それぞれ通貨を融通し合うスワップ。通貨の融通のことです。スワップ増額が、今般決定されたことを歓迎しております。また、東アジア地域における通貨のセーフティーネットである『チェンマイ・イニシアチブ』の強化や、またアジア開発銀行(ADB)の資本増強が必要、という点でも一致しました。さらにアジア各国は成長力の強化と、内需拡大に必要な措置をとり、保護主義と戦うこと。世界貿易機関、WTOのことですが、交渉の進展にいっそう努力することが必要、との点で一致いたしております。

「成果の第2は防災協力です。地震、台風、洪水などでの防災態勢の強化のため、3カ国の閣僚級会議というものを来年から始めます。その第1回を日本が主催することになりました。第3の成果として、3首脳で、北朝鮮を含む地域情勢と、環境、軍縮、核不拡散などの地球規模の課題についても議論をしました。特に環境問題につきましては、大気や海洋の汚染など、この地域共通の問題について協力を推進することで一致をしております。終わりになりますが、本日の会議で、大変実りある議論ができたことに関して、温首相ならびに李大統領に心から感謝をします。次回の日中韓サミットは来年、中国で開催されることになります。私は次回会合の成功に向けて、中韓両国の首脳と緊密に協力をしてまいりたいと考えております。以上です。ありがとうございました」

【関連記事】
中国船の日本領海侵入に一線画す 台湾国民党主席
福岡で日韓首脳会談 金融危機や北朝鮮対応で連携確認
中国船の尖閣領海侵犯 台湾取り込み狙う?
中国 占拠めぐり村民1000人、警官と衝突
感染70万人? 深刻化するエイズ問題

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081213-00000554-san-pol